『EVO JAPAN 2018 ストリートファイターⅤ アーケードエディション』のGRAND FINALが行われている最中、Twitterのタイムラインは『竹内ジョン、覚えたぞ!』『ジョンくんすげぇ!!』など、竹内ジョンという新星登場に歓喜するツイートで溢れる。

『あーーー!!EVO JAPAN 2018 ストリートファイターⅤ アーケードエディション 優勝はINFILTRATION!!!』実況・解説の叫び声と共に試合の決着が着く。竹内ジョンはGRAND FINALで敗北し、準優勝となった。

ストリートファイターⅤを主軸に活動する若手ゲーマー《竹内ジョン》は、2017年に海外大会で優勝を果たし、2018年1月28日に行われた『EVO JAPAN 2018』では準優勝を果たすなどの成績を収め、2018年3月8日、ついに海外有名チームであるTeam Liquidへの加入を発表した。GAME STARは、その《新星・竹内ジョン》に『EVO JAPAN 2018』と今後の活動について話を伺った。

※本文は2018年2月1日に発行したGAME STAR Vol.18の内容を基に加筆・修正を行っております。

 

新星・竹内ジョンに迫る

――まずは『EVO JAPAN 2018』の準優勝、おめでとうございます。

ありがとうございます。

――今回は新星・竹内ジョンに迫るということで、竹内ジョンさん自身についてお話を聞いていきたいと思っています。まずは、ストリートファイターシリーズを始めたきっかけを教えてください。

学生時代、ゲーム好きの友人と遊んでいた時に、その中のひとりがストリートファイターⅣとアーケードコントローラーを抱えて持ってきたことがきっかけです。その時はみんなでCPU戦をやったり、緩く対戦したりしていました。昇竜拳や真空波動拳を出すだけで苦労していたのを覚えています。
友達とのプレイをやり尽くすと、次はゲームセンターに行ってプレイしようって話になって、そこからは《100円を入れて勝つか負けるか》の日々が始まりました。ここがストリートファイターシリーズを競技的にプレイし始めました瞬間です。

――ストリートファイターⅤはゲームセンターにありませんよね。現在はどのように練習しているのでしょうか?

ゲームセンターにプレイ台が無い代わりに最近では対戦会というものがあります。e-sports SQUARE AKIHABARAでかげっちさん主催の《Fighter’s Crossover -AKIBA-》という対戦会があって、そこで対戦させてもらっています。
対戦会は対戦した後すぐに感想などの意見交換ができたり、友達とプレイしたりして楽しめるのが良いところだと思っています。この対戦会は上級者はもちろんなんですが、初級者に向けたプレイ台も用意されているので始めてみようと思っている人にもぜひ来て欲しいです。私はこれからも積極的に参加していこうと思っています。

最近ではそこで出来た仲間と主に土曜日に梅原大吾さんのTwitchチャンネル《BeasTV》をお借りして《若手配信》を行っています。最近の大会の話やアップデートの話などをしています。今はこの仲間たちで切磋琢磨をしているところです。

 

EVO JAPAN 2018 準優勝という結果に手ごたえ

――それでは『EVO JAPAN 2018』準優勝という結果について実際どのように感じているのか、教えてください。

自分としては万々歳です。《新しいことをやって大会の賑やかしになれば良い》くらいに思って臨んだので準優勝という結果には非常に満足しています。もちろん、GRAND FINALで負けたのは悔しいのですが…。
INFILTRATIONさんが使っていたジュリ相手の練習はしっかりやっていたのでWINNERS FINALで出してきた時はいつも通りの勝ちパターンで勝てていたんですけど、GRAND FINALでは対策されてしまいました。低リスクでリターンが取れる所をうまく取られてしまい、だんだん迷っているうちに近距離戦での読み合いにも負けてしまったり、場面の読み合いや布石の打ち方などは経験の差を感じました。

――経験の差はこれから埋めていくのでしょうね。しかし、sako選手、PoongKo選手、MenaRD選手など、強豪プレイヤーを倒してきましたよね。やはり対策はしていたのでしょうか?

sakoさんの使っているキャラクターのメナトは非常に強力で相手にするのに不安だったので、練習では特にメナト戦をやり込んでいました。試合では自分が使うラシードとの相性が良かったということもあって綺麗に倒すことができました。
その後に戦ったコーリンを使うPoongKoさんはすごい内容で勝つことが多いプレイヤーなのでどんな試合になるのかドキドキしていました。実際の試合では練習してきたことができて、ミスもありましたが、なんとか勝つことができました。

カプコンカップ2017で優勝したMenaRD戦は、バーディと、ラシードの相性が悪く火力差で押し負けることを心配していました。作戦を一つ決めてそれが通らなければ負けてもしょうがないかなって思っていたんですけど、綺麗に通って無事勝つことができました。

――竹内ジョンさんの試合を観ていると画面端に追い込むシーンが多いですよね。

ラシードは画面端に押し込む能力と押し込んだ後のダメージを出すのが得意なキャラクターなので自分も端に押し込んで戦っていくコンセプトで試合を組んでいます。

 

2018年は結果を出す年にする。

――2017年は様々な活動をしましたよね。2018年はどのような活動をしていきますか?

2017年は2月にフランスで行われた《Cannes Winter Clash 2017》で優勝してから、様々な大会に出たのですが、自分の動きが作れていなかったので納得のいく結果が得られませんでした。
2017年後半になって、使用しているラシードのコンセプトが見えてきて、動き方の方針が決まってきました。2018年はその動きで結果も出せればと思っています。
日本のストリートファイタープレイヤーで結果を出している選手は年長者が多く、若い人が結果を出していかないと業界も萎んでいってしまうと思うので頑張っていきたいと思っています。

――2018年の出場する大会についても教えてください。

カプコンカップを目標に海外大会を中心に参加し、結果を出していきたいと思っています。自分にはスポンサーを獲得して、アメリカをメインに活動して行きたいという目標があります。
(編注:先述の通り2018年3月8日にTeam Liquidに加入。目標にまた一歩近づき、その躍進には目をみはるものがあります。)

――なぜ、アメリカをメインに活動しようと思ったのでしょうか?

ストリートファイターⅤでは、アメリカが一番盛り上がっている市場です。自身の成長もそうですが、アメリカの競技ゲーム市場の盛り上がりを日本に持ち帰りたいという気持ちもあります。大会の規模もそうですが、それを観戦しているギャラリーが日本と比べて非常に盛り上がっているので、プレイヤーとして結果を出すためだけではなく、イベントをもっと盛り上げられるようなスキルも身につけて帰ってきたいです。

――それでは最後にGAME STARの読者にメッセージをお願いします。

ラシードのVトリガーⅡも面白く、実践で使っていけると思うので色々な大会で素敵なプレイをお見せできると思います。楽しみにしていてください。

――ありがとうございました。

 

プロフィール


竹内ジョン

プロ格闘ゲーマー。
ジョンという名前は、学生時代にそのハーフっぽいルックスから「ジョン」というニックネームで呼ばれていたことから付けられたもので実際には純日本人である。アーケードコントローラーではなく、プレイステーション4の純正パッドを使用している。