2018年12月16日、ベルサール東京日本橋にて「PJS Winter Invitational 2018」(以下、PWI)が行われた。
PWIとは、招待された全16チームが参加するPUBGの公式オフライン大会。
日本のPUBGプロリーグ・PJSの大会で、史上初となる1000万円もの賞金が掲げられた一大イベントだ。
予備リーグを経て、東京ゲームショウ2018で正式なシーズンが開幕したPJSだが、日本PUBG界の加熱・加速ぶりを象徴するかのような成長を見せている。
今回は選手もファンも熱狂した大会の模様を、チームのインタビューも交えてお届けする。  

ルール変更によって、さらにスリリングになった試合展開

独自のルールでシーズン1を行ってきたPJSだが、2019年シーズンから世界共通で「PKL(PUBG Korea League)ルール」が採用されることもあり、PWIではいち早く取り入れることとなった。
これまでよりキルが重視されるルールに戸惑いを見せる選手やチームも多かったが、さすがと思わせたのがシーズン1の覇者であるSunSister Suicider’s。
Round2、Round4の2試合でドン勝を取り、その実力を見せつけた。
しかし、ただ勝つだけでないのが王者たるゆえん。Round4最終盤、Sabrac選手はOP GAMING HuntersのBNeck選手との手に汗握る1v1を、なんと遮蔽物の下にあった木箱から見つけた手榴弾で決定づけたのだ。最後の最後でこれ以上ない劇的な幕切れ。それをリーダーがやってのけるのだから、「持っている」としか言えない。
もちろんRound1でドン勝を取ったRascal Jester、Round3のZoo Gaming / Penguinの活躍も素晴らしかったし、ほかのチームもPWIで新ルールを体験したことで収穫があったはず。
season 2は2019年3月2日にGrade1開幕戦が予定されている。SunSister Suicider’sをはじめ、さらなる進化を遂げてハイレベルな戦いを見せてくれるだろう。

   

見事総合1位を獲得! SunSister Suicider’s

――優勝した今の気持ちを教えてください。

CrazySam選手 とても嬉しいです。ただ、自分が納得する勝ち方ができなかったので、今日は運に助けられたと感じています。
例えば「別のチームが近くにいたら」とか、「自分たちの向かう先が激戦区になってたら」とか微妙な部分が多かったので、100%自分たちの実力で勝てたとは言い切れないところが引っかかっています。
状況次第ではこの結果になっていたかは分からないですね。

――序盤は調子が出なかったようですが、試合後にミーティングする姿が見られるなど、盛り返そうという雰囲気を感じました。

gabha選手 スクリムで見つかっていた問題点が、あまり直せていなくて…。でもミーティングをして、切り替えることができたかなと思います。いろいろと確認しました。

――Sabrac選手は、最終試合で勝敗を決める一撃を放ちましたね。

Sabrac選手 震えましたが、それ以上にしびれていましたね。
仲間からも「あと1人。あと1人」と言われていて、1V1は負けることも多いので緊張もしましたけど、勝った瞬間は気持ちよかったですね。
今までの試合で一番叫んだと思います。

――OP GAMING Huntersの選手は、SunSister Suicider’sが印象に残っていると言っていました。

Sabrac選手 強いチームの印象に残せたのはうれしいですね。
戦う機会があまり多くないので、戦えたことも貴重な体験になります。
これからアジアの大会とか世界大会で対戦することもあると思うので、また印象に残るようなプレイや結果を残したいと思います。 

 

eスポーツ強国の意地を見せたOP GAMING Hunters

――惜しくも2位でした。感想をお願いします。

嬉しい反面、惜しかったという気持ちも大きいです。
またこういった機会があれば、来日して戦いたいと思います。

――最終戦のラストシーンはもう一歩でした。

1v1に自信はあるのですが、Sabrac選手のほうが有利なポジションにいたので、判断が遅れてしまったと思います。

――日本チームの印象を教えてください。

スクリムで数試合したことがあったのですが、まだ韓国のチームのほうが強いとは思います。
今大会ではやはりSunSister Suicider’sが気になりました。

――OP GAMING Huntersのスタイルを教えてください。

ポジション探しを大切にしています。いいポジションを取ったら情報を蓄えて、タイミングを見計らって進むようにしています。
常にアグレッシブというわけではなく、あくまで状況判断が最優先ですね。

――日本の印象はいかがですか? 街がすごくきれいですね。

まだラーメンしか食べていないのですが、これからおいしいものを食べたいと思います。  

 

日本のファンに強烈な印象を残したGen.G

――試合の結果を受けて、今の気持ちを聞かせてください。

日本のチームどうこうではなく、単にGen.Gが弱かったので10位という結果になったのだと思います。
ただ、韓国の試合では自分たちがランドマークに入るとほかのチームはあまり攻めてこないのですが、今日は日本の忍者プレイというのか、予想できない展開が多かったので戸惑いもありました。

――そんな状況下でも、ものすごく強気なプレイをしていると感じました。

PWIのルールはキルポイントが重要になるので、積極的なプレイを選択しました。
しかし複数のチームを相手にすることになるケースが多かったので、それが失敗の元でした。

――日本のチームと戦ってみて、どんな印象を持ちましたか?

Gen.Gとして戦前に予想していた強いチームが、しっかりと上位に残っていたと思います。
SunSister Suicider’s、Crest Gaming Xanadu、Rascal Jesterあたりですね。

――日本の印象はいかがですか?

日本人は大好きで、アニメとか食べ物、ラーメンやトンカツなどが楽しいし美味しいので来られてよかったです。 

 

ファンと選手が直接交流! ステージも必見

またPWIでは試合だけでなく選手とファンの交流会も催され、それぞれのチームにサインや握手を求めるファンでごった返していた。 ステージ上ではチームのリーダーが顔を揃えてのトークショーも実施。
ファンから様々な質問が飛ぶなか、「差し入れは何だとうれしいですか?」に対してV3 FOXのManju選手が「何でもうれしいです」と返したところ、解説のSHAKA氏が「ほんとに何でもいいの!?」と激しいツッコミを入れるシーンも。
タジタジになるManju選手に会場もステージも笑いに包まれるなど、選手の人となりが分かる貴重な時間となった。
配信のコメントなどでやり取りできるものの、ファンはやはり生で選手を見たいもの。そういった意味でPWIは、それぞれの架け橋の役目を果たし大成功に映った。

 

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