FPSゲーマーによるヘッドセット『HyperX Cloud Revolver S』レビュー
おはようございます。こんにちは。こんばんは。
今回レビューするのは、ゲーミングヘッドセットCloudシリーズのフラグシップモデルとして、バーチャルドルビーサラウンド7.1chに対応した『HyperX Cloud Revolver S』です。
製品の発売は2017年3月20日(月)、店頭想定価格は19,520円(税別)となります。
付属品はサウンドカードと変換ケーブル
外観…の前に製品ボックスから見ていきたいと思います。
箱から高級感が伝わって来ます。箱の前面に描かれた製品の画像が実にクールです。
箱を開けた時に製品が見えるとワクワクが止まりませんね。
付属品を見ていきましょう。
付属品は以下の通りです。
・HyperX Cloud Revolver S 本体
・サウンドカード
・3.5mm4極ピン→3.5mm3極ピン×2変換ケーブル
・説明書
この製品の付属品は必要最低限に抑えられています。
同社の製品である『HyperX CloudⅡ』では他の変換器や素材が異なるイヤーパッドなども付属されていましたが、この製品では付属されていません。
装着感は良好、しっかりとした作り
次に使用した際の感想になります。
本体の装着感ですが、イヤーパッドや低反発のクッションが柔らかく、頭をふんわり包んでくれます。側圧はほんの少し強めの印象です。ただ、側圧はティッシュボックスを挟んでおくなどしておけば本体が慣れ、圧が少し緩和されるので、強いと感じる方は何かの箱などを挟んでおくといいでしょう。
ヘッドバンドは自由に動くので自分にピッタリの位置に合わせられます。
筆者は眼鏡を掛けているのですが、長時間装着していても耳が痛くなりことはありませんでした。但し、本体フレームが頑丈なスチール製で出来ている為に重量があるので、首が疲れる時がしばしばありました。首がこりやすいという方は注意が必要です。
如何なる状況でも素晴らしい音の良さ
いよいよヘッドセットの命である音についてです…が、音についてはよっぽどの設備がないとデータとして音の特性などを表すことが出来ないので、今回は筆者の耳で大まかに低域、中域、高域の出力の具合や定位性について書いていこうかと思います。
今回は『Overwatch』、『Counter-Strike:Global Offensive』、『World of Tanks』、『Alliance of Valiant Arms』の4つのタイトルで使用したので、これらのタイトルでの使用感をレビューを行います。
まずはサウンドカードを使わずにプラグをPCに直挿しで音を聞いてみます。筆者のPCの環境ではサウンドカードはなくオンボードです。
若干低音が強く、中域が少し弱いという感じがしました。ゲーム内で言うとキャラクターの足音がよく聞こえ、大きくなったなという印象でした。やはりゲーミングヘッドセットである為に、足音を聞くために必要な音量以上の音をプレイヤーに聞かせないという、耳に負担をかけないような調節が本体にされています。
次にサウンドカードを使用して音を聞きましたが、サウンドカードの機能に3つのモードがあります。そのモードと筆者が使用して感じた大まかな印象を併記します。
・モードなし…サウンドカードを使用しない場合と音の特性は同じ、音の解像度が良くなる(あくまで筆者のPCオンボードとの比較です。サウンドカードなしの音の解像度はPCの性能に左右されます)
・低音ブーストモード…モードなしから更に低音が強化される。
・フラットモード…モードなしと殆ど変化は無いが、低域と中域の差が若干小さくなる。
・ボーカルモード…他と大きく違い、中域が突出する印象。
ボーカルモードでは名前の通りボーカルが聞きやすくなったかなという印象です。ただ、音楽の種類によってはあまり効果がない物もありました。音楽を聞く際のモード選択は人によって好みが分かれそうです。
そしてサウンドカードのもう1つの特徴は、バーチャルドルビーサラウンド7.1chに対応してるという事です。この機能を使用した感想ですが、これは人によって大きく評価が異なるのかなと感じました。
理由としては、敵が自分からどのあたりに居るかという方向は通常に比べて非常に分かりやすくなっている反面、細かな定位がぼやけてしまっているという事です。この違いは非常に重要で、例えば、音が聞こえた方向に高低差やキャラクターが通れる通路が2つ以上あった場面の場合、どちらか分からなくなってしまうという欠点があるのです。
総評として、足音などのゲームに於いて重要な音の情報が聞きやすく、逆に戦闘などで大きな音が出る銃声や効果音をマイルドにしている印象でした。また、音楽や映画など娯楽目的での使用も全くとして問題無いほど音質は良く、定位性も良好でした。
『Counter-Strike:Global Offensive』、『Alliance of Valiant Arms』では、足音やジャンプ音がよく聞こえ、そして定位もはっきりと分かりました。また、C4設置音のような小さな高い音も消える事無く、他の音情報が自らの銃声の音にかき消される事もありませんでした。
『Overwatch』ではタンク系のヒーローのSEが響く印象を受けました。特にアース・シャターを決めた時の気持ちよさが倍増します。このタイトルでは足音が小さいのですが、よく聞き取ることができました。アタッカーのヒーローの銃声も聞き取ることが出来ました。
『World of Tanks』は砲撃音に迫力が出ており、臨場感が増しました。戦争映画などでも迫力が増すので是非試して頂きたいです。
サウンドカードを使用するメリットとして即座に入出力音量の調節、そしてPCの環境が変わっても音質などが影響を受けないようにするという所にあると感じました。バーチャルドルビーサラウンド7.1chの利用は、使用者がプレイするタイトルによって合う合わないがあるので、それぞれのタイトルで音の情報がどう関ってくるのかを見極めて使うのかを判断するのがいいでしょう。また、音楽には適しませんが、映画などはとても迫力が増えるので映画をよく見る方はバーチャルドルビーサラウンド7.1chを使って見てはいかがでしょうか。
マイクの音質に関しては一長一短
ヘッドセットに欠かせないマイクについても見ていきましょう。この製品はマイクは取り外しが可能になっています。
マイクはブームマイクとなっており、手で動かすことで位置を固定できます。
マイクのレビューなのですが、実は筆者が実況をさせて頂いた『Here Comes a New Challenger!』でこのヘッドセットを使用して実況をしていました。
この動画では、マイクの音質はあまり良く無いと思う方もいると思います。しかし、この音質には理由があると思われます。このヘッドセットはマイクから入る音のノイズを軽減し、発した声を聞こえやすくするようになっていました。マイクの位置に注意しないと動画のようにこのマイクでもブレスが入ってしまいますが、筆者のような雑音が入りやすい人でもノイズが軽減されています。
この仕様は周りが騒がしい環境でも使えるようにというオフラインを強く意識した『HyperX』のブランド色が出ているなと感じました。
フラグシップらしい工夫が凝らされている
今回レビューした『HyperX Cloud Revolver S』ですが、筆者としてはフラグシップを名乗るのに申し分ない性能を持っていると感じました。
ヘッドセットに必要な音質は申し分なく、一番重要である定位もしっかり聞こえ、バーチャルドルビーサラウンド7.1chを使用した場合は更に方向が非常に分かりやすくなります。装着感もよく、クッションなどによって頭や耳に痛みを感じることがありません。快適に使用できました。
一方で、重量が一般的なものに比べ重いことや、マイクに声をしっかり載せることにあたって音質を幾らか犠牲にしていることなどは少し勿体無いという印象です。前回のレビューでも少しありましたが、オフラインを強く意識している『HyperX』ブランドだからこそ、それ以外の用途での使用に制限を掛けていると思います。
今回の製品は、簡単に高音質を手に入れたい方、ゲーム以外にもヘッドセットを使用したい方にオススメ出来る物となっていますので、ヘッドセットの購入を考えている方は是非検討してみてはどうでしょうか。